REAMDE: Kinmen とは ― 2012年10月07日
いや、まだ読みかけなんだけど。Kindle によればやっと50%、半分まで読んだところ。
REAMDE Neal Stephenson
で、今書きたいのは実はその本の本筋について、じゃないんだ。
主人公達は、中国の Xiamen に不法入国し、そこで騒ぎを起こして国外脱出を図ります。さて、どうやってそんなことが可能なのでしょう?
いや、この小説はロシアンマフィアだの中東のテロリストだのMI6だのだが出てくるアクションスリラーなので、そこにあんまりリアリティ求めてもしょうがないのだけど、国外脱出の方法で、一つ驚いたので、その話を書く。
Xiamen というのはここ。漢字では廈門と書き、日本ではアモイと呼ぶことが多い。中国南部の沿岸の町。海をはさんで台湾と向かい合っている。
主役級の登場人物は七、八人いて、二、三人ずつに分かれてばらばらにいろんな経路で脱出するのだけど、そのうちの一組は、水上タクシーで Kinmen に脱出します。タクシー運転手に大金を払って、こっそり Kinmen に上陸させてもらうわけね。
Kinmen は台湾なので、そこまでくれば中国の警察には捕まらない。まずは安心。
えっ?
これ、すごくおかしいと思った。台湾と向かい合っているとは言っても、最短距離でもアモイから台湾までは300Kmぐらいある。水上タクシーでいける距離じゃないし、何より物語の中では、ほんの十数分で着いたことになってる。
Kinmen がどこにあるのか調べてみた。
なんと、アモイのすぐそばだ。アモイの一部にしか見えない。
なんでこんな中国本土の目と鼻の先に台湾の土地が残ってるんだろう。
ちょっとググッたら、やっぱりかつて戦争があって、アメリカが動いて、で、当時ソ連は中国との関係が悪くなっていたので動かず、中国は Kinmen 侵攻をあきらめたらしい。
ちょっとだけ笑えるエピソードが。その戦争で、中国は Kinmen を砲撃しまくったのだけど、 その大砲の弾に使われていた鋼が非常に硬いもので、Kinmen の人たちはこれを再利用して包丁を作りまくり、今や Kinmen の重要な観光土産になっているそうな。REAMDEでも言及されてる。あ、今はKinmen は中国の人も台湾の人も行き来する観光地になっているそうです。
いかにもニール・スティーブンスンが Xiamen と Kinmen に観光旅行して仕入れた知識をもとに小説書いたぜ、という感じがして、ちょっと興ざめするけど、でも知らなかった、驚いた。
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