記事一覧: 映画 お出かけ チューダー朝

バンド・オブ・ブラザーズの桜吹雪2014年08月31日

7月までHuluが配信していたバンド・オブ・ブラザーズをきっかけに、この夏はザ・パシフィックも見、それから家にあった「容赦なき戦争」を読み、以前みた「スターシップ・トゥルーパーズ」を思い出したりして、憂鬱な気分に浸っている。


 Band of Brothers (邦題: バンド・オブ・ブラザーズ)


バンド・オブ・ブラザーズは前から気になっていて、Huluでもやってるなぁ、と思ってマイリストに入れてあったのだけど、2時間で終わる映画と違って、10話も続くテレビシリーズを見始めるには勢いがいる。やっと見始めたのが7月半ば。面白い、と思って全部見る気になったタイミングでHuluから、7月末で配信終了、の知らせが来て、急いで見た。


第一話は米国内のキャンプ地での新兵訓練が中心で、根性の悪い指揮官のしごきと、その指揮官が更迭されるに至る経緯が水戸黄門的で、これは、と思って、うちの奥さんに勧めてみたら、案の定、さくっとはまって、何度も見直してた。


軍隊の訓練におけるしごきのシーン、というのは何か広く一般に受ける要素があるんだね。水戸黄門とか、遠山の金さんとか、半沢直樹とかと、何かしら共通するものがきっとあるに違いない。


でも、第二話以降は、激しい戦闘シーンが続くし、女性はほとんど出てこないし、うちの奥さんは見ないだろうなぁと思っていたのだけど、第一話が気に入った勢いで一緒に見てみたら、驚いたことに気に入ってしまった。


どうやら、有能な指揮官のウィンターズがだんだん出世していくところとか、その親友のニクソンがイケメンなところとか、その辺が当座の魅力だったらしい。で、それに魅かれてみていくうちに、だんだん他のキャラクタやストーリーの細部にも目が止まるようになって、すっかり深みにはまった様子。それは奥さんだけじゃなくて、僕も同じで、Huluで配信終了する前に、さくっとDVDボックスを買いました。


DVDで繰り返し見ていると、登場人物の顔の区別がつくようになって、シリーズの後半で顔と名前を覚えたキャラクタが第一話から出ているのに気がついたりする。第六話だったかな、衛生兵ユージーン・ロウが主役の回で、彼の名前を初めて覚えたのだけど、第一話を見返していると、Dディの出撃の日に、これから飛行機に乗り込む兵士達に、酔い止め薬が配られて、「今すぐ一錠、30分後にもう一錠を飲むように、とDr.ロウが指示した」と説明があったりする。それに気がつく、気がつけるようになるのが、また楽しい。


戦闘シーンの描写は恐ろしくて、第二話でドイツの砲撃陣地を破壊しに行くシーンを最初に見たときは、この調子でとても第十話までは見続けられないと思った。でも、だんだん慣れてしまう。ましてや、ザ・パシフィックの戦闘シーンを見た後では、バンド・オブ・ブラザーズの第二話はのどかにすら思える。あなおそろしや。


無能な指揮官、有能な指揮官、というテーマは面白いので他にも何度か出てきて、それぞれ印象深い。第七話のダイクの無能ぶりと、その後を引き継いだスピアーズの無双ぶりの話とか、第八話の経験の浅い新任仕官の代わりに斥候隊を指揮するマーティンとか、つい何度も見たくなるのは、水戸黄門の印籠や、金さんの桜吹雪に相当するシーンだからか。


うちの奥さんは、ウィンターズが第五話で真紅シンク大佐から、「大隊を率いてみるか」と言われて大尉に昇進するシーンや、第七話でニクソンから「シンク大佐が『階級にふさわしい服装をしろとさ』」と少佐の階級章を渡されるシーンを好んで見返してた。


もう一つ、受けてたのは、最終話で、新兵訓練での根性の悪い指揮官ソベル大尉が、いまや少佐になったウィンターズのそばを通りがかって、目礼だけで通りすぎようとしたのを、ウィンターズから「敬礼は?」と促されていやいや敬礼するシーン。英語のセリフだと少しニュアンスが違って、「敬礼は階級に対してするもので、人に対してじゃない。」 ("You salute the rank, not the man.")と言ってるけど、まぁどちらにせよ言わなくてもいいことを、言わずにはいられなかったんだろうね。隣でニクソンもニヤニヤしてたし。


まぁ、のらくろでも、島耕作でも、だんだん主人公が出世していく話はうけるよね。


結局、HuluとDVDで全十話通して2.5回ぐらい見た。時間があったらまた見たいと思える、そんなドラマ。戦闘シーンは恐ろしいが、生き残った主要登場人物たちの個々人の魅力と、彼らの間の連帯感が強まっていく様子が、明るい雰囲気をもたらしている。それに最終話のスイスの湖とホテルの美しいこと!


物語中では、あの湖はツェル・アム・ゼーだということになっているけれど、撮影に使われたのは、ブリエンツ湖畔の Grand Hotel Giessbach だそうだ。泊まってみたいが、一泊4、5万円する。


ホテルのそばまで行って、記念撮影だけでもする機会があるといいな。



コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
私が好きなのは次のうちどれでしょう。
ボードゲーム 
オードトワレ 
ガードレール

コメント:

トラックバック