すべてのアイアンマンは消耗品である ― 2013年05月02日
大満足。今すぐもう一度見たいくらい。おすすめ。
Iron Man 3 (邦題:アイアンマン3)
お約束で、途中までトニー・「アイアンマン」・スタークはやられっぱなしで、見てる方にもフラストレーション溜まりますが、後半これでもか、というぐらい楽しいシーンがてんこ盛りで来ます。
3作目の宿命で、アクションとかメカとか敵の強さとか、色々な点でますます派手にしないといけない、というプレッシャーがあるはずだけど、見事にグレードアップしてました。もう大盤振る舞い。作中のセリフにもあったけど、クリスマス状態。
ドイツでは昨日4月30日から公開で、日本の方がドイツより早かった。日本で見た人たちが感想をブログに書いているなーと思いつつ読まずにじっと我慢して今日を迎えました。今日はメーデーでドイツも休日。おまけになんとバスとトラムがストで止まってたりする。車でマンハイムまで行ってきました。
英語版を見たのだけど、結構席が埋まっているな、と思ったら、インド系の人たちが多かった。若者が数人つるんで、とか、家族連れとか、色々。
今回の敵キリアン、ヘアスタイルやメイクの感じでブラピっぽい顔ですが、「ブレイド」に出ていた敵ディーコン・フロストにも似てます。フロスト好きなんで、これでまず1点。
物語が終わって、エンドロール前の、主要キャストの名前が出るシーン、1作目から今回までの色んなシーンをコラージュしたようなシーンはとても格好良かった。これも1点。
さて、ネタバレ。この映画はミステリー成分は少ないですが、どういう大盤振る舞いが来るのか、知らない方が楽しめるでしょう。
もういいかい。
では。
敵の親玉マンダリン。まーたこんなにイスラム系のテロリストを敵に設定して、偏見を助長するのかー、と思ってたら、よいオチがついてました。あのシリアスシーンと、正体がばれたときの落差が素晴らしい。ベン・キングズレーないす。
キリアンと、「ブレイド」のフロスト、敵としても似たタイプで、どっちも切っても死なない不死性を身につけて、どーすんのこれ、と話を盛り上げます。キリアンの人体改造バイオテクノロジーの想定は英語が聞き取れなくていまひとつ良く分からなかったのだけど、失われた四肢を再生するのが元々の目的だったのかな。で、副大統領が裏切ったのも、足を失った孫を治療して欲しかったから、と。
で、このテクノロジーを施されたキリアンおよびキリアンの手下達はどんな傷を負っても再生して復活してしまうので、それぞれ結局どうやって始末が付けられたのかもう一つよく分からない。キリアン本人だって、一度倒されて復活して、二回目で本当に倒されたことになってますが、トドメをさした、というシーンがないので、もう一度復活して出てきても違和感なさすぎて困ってしまう。一応あれですかね、粉々になってしまえば復活しないと、そういう想定ですかね。
ペパー(公式には「ペッパー(ポット)」なんだろうけど、あんまりもっさりするので、ペパーにする)もこの処置を受けて、再生魔人になってしまう、というのがまた良し。その前に、ペパーは今回アイアンマンの中にも入ってましたね。ペパーだけでなく大統領も入ってましたが、ウェストのサイズが合うのだろうか。ハピー(公式には「ハッピー」…以下略)でもアイアンマンの中に入れるのだろうか。
この大統領はオバマ風ではなく、ブッシュ風でした。副大統領に見限られたりする弱い大統領なので、現行大統領に似せるのはまずかったのかもしれません。
前半の、敵にやられつづけるシーンを見ながら、「アイアンマンなんだから、やっぱりトニーが新しく何か作ってそれが徹底的に強い、というシーンが欲しい」と思ってたんですが、結局、田舎町の少年ハリーにその趣旨のことを言わせてましたね。「『メカニック』なんだから物を作ってよ」と。それでこそアイアンマンだと思います。が、その後が違った。新しく何かつくるんじゃなくて、「こんなこともあろうかと」あらかじめ作ってあったものが出てきました。山ほど。これでもか、と言わんばかりに。
アイアンマンが何体もある、というのは1作目にも2作目にもあった描写ですが、これだけ数を揃え、かつその使い方が、消耗品的なのが楽しい。一つ使って壊されたら「あそ、じゃ次」という感じでとっかえひっかえなのがよいです。唯一無二の究極兵器ではなく、コモディティとして存分に使い倒す、というのはヒーロー物のメカ描写としては新しいと思うし、テクノロジーのあり方として正しい気もする。ガンダムのGMも量産型ですが、最初のプロトタイプであるガンダムがなぜか一番強い、ということに対する違和感がありました。量産型が廉価版でなければいけない理由は何もない!かつ、消耗品だからこそできる使い方もある!
メカニック魂を取り戻してから、フロリダのマンダリンの豪邸に乗り込むシーンで、「男達の挽歌2」を思い出したのは私だけぢゃないはずだ。
ところで田舎町に来た理由はなんだったんでしょう。ジャービスが何か言ってましたが聞き取れませんでした。で、この街にいた工作好きの少年ハリーは9歳か10歳ぐらいに見えるんですが、私はてっきりハリーがトニーの息子なんだと思ってました。母親は誰かって?その前のシーンでトニーの自宅を訪れた、キリアンの部下マヤだと思ったんだけど。トニーの自宅が襲撃される前に、言ってませんでしたっけ、マヤはかつてトニーの行きずりの恋人だったと。それもアフガン事件の前だから、9年ぐらい前でもおかしくない。で、ハリーの母親は出てこないし… 結局違ったみたいですが、ハワードからトニーに受け継がれたスターク帝国の跡継ぎがこういう形で決まってもいいのになぁと思いました。まぁ、そんなことがあると、ペパーが納得しないか。
エンドロール後のシーン、今回は別の映画をほのめかすものではなかったように見えましたが、なんか1983年の話を語りはじめてましたよね。そこから始まる別の物語が映画にならない保証はどこにもないのです。
ハワードとトニーの年齢 ― 2013年05月05日
ここんところ、古い記事へのアクセスが急に増えたので、なんだろうと思って検索してみた。
アクセスが増えてたのは、この記事。
アイアンマン=トニー・スタークの父ちゃん、ハワード・スタークの年齢についてあれこれ考えてみた、という内容。
ここにアクセスが来る経路で、一番多いのは、そのままずばり「ハワード・スターク」というキーワードでの検索なんだけど、「トニー・スターク 年齢」で来てるケースもあって、何の気なく、それで検索してみた。すると、こんな記事が。
これ書いてる人、とても熱い MARVEL ファンのようで、記事の踏み込みが深い。 で、ここでは、アベンジャーズの特典未公開映像中に、トニーとハワードの年齢や生年月日設定が映っているのを見つけて、びしっと示している。
それによると。彼らの生まれた年は、
ハワード・スターク: 1917年
トニー・スターク: 1970年
おお、私の推測は大体あってる!...けど、大体しかあってない。
私の以前の記事では、はっきり書いてないのだけれど、わざわざ図にして示した推測では、ハワードは1920年生まれ、トニーは1965年生まれと見当をつけている。また、別の可能性として、トニーはハワードが50を越えてからの子どもかもしれない、とも書いている。
上の MARVEL ファンの方が見つけた情報によれば、私の推測よりもハワードは3歳年上で、トニーは5歳若く、トニーはハワード53歳の時の子ども、ということになる。
ハワード元気だ...
ただし、少しもやもやするのは、Stark Expo 74 の時のトニーの年齢。70年生まれなら、4歳でしかなかったはずですが、アイアンマン2にあった、Stark Expo 74 当時のフィルムに映りこんだトニーは、もう少し年のいった子にしか見えないんだけどな...
スター・トレック イントゥ・ダークネス ― 2013年05月09日
スポックとウフーラの
Star Trek Into Darkness (邦題:スター・トレック イントゥ・ダークネス)
昨日はドイツでの公開初日。IMDbによると、なんとアメリカよりヨーロッパの方が公開が早い。日本は8月だって。映画館はよく人が入ってて、いつになく前の方の席しか空いてなかったりした。女性客が結構多くて、主人公達の痴話げんかむにゃむにゃ「人間味溢れる会話」に後ろの方でキャハキャハ笑ってる人が結構いた。ほんと、スポックとウフーラだけじゃなくて、カークとスポック、カークとマッコイの会話もみんな痴話げんか風。ひかる君(ズールー)がその乗りに入り込めずにさびしそうです。
今回の敵、ジョン・ハリソン=ベネディクト・”SHERLOCK"・カンバーバッチは、スポックと少しキャラがかぶってるような。どちらも理知的なイケメン。ジョン・ハリソンがかぶってるんじゃなくて、SHERLOCKのシャーロック・ホームズとスポックがかぶってるんだね。SHERLOCKでカンバっちは、超高速モノローグで推理を語ってみせる。その様子は論理的に迫るスポックそっくり。そのくせ、面白い事件がなくて暇だ、つまらないと嘆いている時や、アイリーン・アドラーに翻弄される様子は、とても人間くさくて、これまたスポックが時折見せる、抑制しきれない感情の動きを思わせる。
うちの奥さんは、元のスタートレックのことは何にも知らない人ですが、この新シリーズのスタートレックの第1作は面白かったそうな。何がよかったの、って聞いたら、スポックが良かったとのこと。スポックが女性受けするらしいので、もう一人同じタイプを出してみました、ってことかもしれない。
スポックの感情と言えば、今回も、色々あって、ちょっと色々ありすぎてスポックのキャラクタ設定が崩れてるんじゃないかと思うくらい。ウフーラとスポックの痴話げんかは、どちらかというとウフーラが一方的に感情的になっていて、スポックは当惑はしているけれど声を荒げたりはしない。だけど、別のシーンではスポックのタガが完全に外れます。嫌ボーンスイッチ入ってたかもしれない。
それにしても、あの痴話げんかシーンはこの映画の最大の見せ場の一つでしょう(真顔)。ウフーラが怒っているのは、
「私に相談もなく勝手に死なないでよ!」
ってことで、スポックの言い分は
「あの惑星を崩壊の危機から救うにはあれしか方法がなかった」
ってことなんですが、ウフーラが言いたいのは
「あなたが死んだら私が悲しむってことを何も考えてないでしょ。私のことなんでどうでもいいのね」
ってことで、惑星の話はしてない。
男としては、惑星崩壊と恋人の気持ちを同列に語られると困るので、スポックにとても同情するんだけど、岡目八目、横からみると話がかみあってないのがよくわかる。スポックの返事が火に油を注いで、ますます燃え盛るウフーラの怒り。そこでスポックが、あの時船長(カーク)もこう言った、みたいなことを言って、カークを巻き込みます。えらいところに飛ぶ火の粉。あわててウフーラに弁解するカーク。わぁわぁ言うております。おあとがよろしいようで。♪ちゃかちゃんりんちゃんりんちゃんりん。
以下ネタバレあり〼。
見るなら読むな。読むなら見るな、とは言わないけど、見てからつまらないと文句言わないでね。
警告はした。では。
ジョン・ハリソンが実はカーンである、というのは、映画見る前にうっかりどこかで読んでしまって、知ってた。痛恨。カーンが正体を明かしたとき、映画館の中で誰かが
「Yes!(よっしゃぁ!)」
と叫んでるのが聞こえた。カーンてのは、スタートレックの以前のシリーズの映画にも出てきた強敵で、遺伝子操作で作り出された強化人間のリーダー。以前のカーンはロッド・スチュワートのような髪型と風貌のロックなおっさんだったのだけど、カークやスポックたちと同様、今回のカーン=カンバっちは一回りか二回り若くなってます。
古い方のスポックが今回もちょっとだけ登場します。新スポックに、カーンに会ったことがあるか、と聞かれて、
「この時間線の発展への干渉を防ぐために、私が別の時間線で経験したことについて詳しく語るわけにはいかない」
というのは予想通り。その後、
「とは言うものの (Having said that)」
と続けて、滔々と語るのも極めて予想通り。ナイス。
カーンの脅威が退けられて、話はエンタープライズが始めて「5年間の調査飛行」に向かうところで終わりますが、おい、クリンゴンとの戦争の危機はどうなったんだ。カーンがクリンゴンの首都惑星に逃げ込んだので、カークたちはそれを追ってクリンゴンの領域に乗り込み、そこでクリンゴンと戦闘になってます。冷戦時代にアメリカ軍が逃亡犯を追ってこっそりモスクワに侵入し、ソ連の警察と撃合いをやったようなもの。しかも、このせいで戦争が不可避な状況になった、ということを惑星連邦の総司令官(マーカス提督=ピーター・「ロボコップ」・ウェラー!)がスポックに向かって力説するシーンがあります。それを見て、「ああ、次回作へのいい導入だなぁ」と思ってたのに。いきなり戦争でなくても、すくなくとも外交ミッションぐらい起きないとおかしいよ~。
キャロル。ブロンドのバービー人形キャラ。鼻の下が伸びるサービスシーンあり〼。アリス・イブ(なんかすごい名前)って役者さんは、MIB3で、エージェントOの若い頃をやってた人ですね。ブロンドのバービーというのがそもそも60年代的。サービスシーンの写真どこかに落ちてないかなー。
[2014年1月26日追記:日本語字幕付きで見直して、思ったことを別途書きました。]
ハイデルベルク初夏2013 ― 2013年05月19日
空は快晴で濃い青。そして山の緑が鮮やか。この緑にハイデルベルクの城と橋の赤が映える。
川岸の緑地は日光浴する人で一杯。カップルも家族連れも、一人で座っている人もいる。色々。
川岸の豪邸を川面近くから見上げる。
古橋の上で、川風に吹かれながら日差しと緑と木陰を楽しむ。
聖霊教会そばのレストランの立て札。「新鮮なアスパラガスあり〼」
アイスも食べ時。珍しく日本語が頑張ってるな。
さっきとは別の店のアスパラガスの立て札。例年なら4月には大量に出回るアスパラガスも、今年は5月に入ってからやっと見かけるようになった。そのくらい、今年は春が来るのが遅かった。
これから数ヶ月、ドイツはすがすがしい季節が続く。梅雨もなければ、厳しい暑さもほとんどない。夜は9時過ぎまで明るい。いやっほぉぅぃ!
ローテンブルクの仮装行列 ― 2013年05月20日
今週、ローテンブルクではマイスタートルンクのお祭りが開催中。
市庁舎とマルクト広場。今日は大変な人出。
マイスタートルンクってのは、17世紀、30年戦争の頃、街がとある将軍の軍に襲われたとき、酒で気分が良くなった将軍が「この酒を飲み干せる奴がいたらこの街を見逃してやる」、とかなんとか口を滑らせたのを市長が受けて立ち、見事飲み干して、三日間の昏睡状態の後、生き延びたという、故事にちなんだお祭り。たぶん。
市庁舎の中では、この故事の再現劇もやってたらしいんですが、そっちは時間が合わず、見逃した。
でも、街中の仮装行列はばっちり見られた。最近行列づいてるな。
行列が始まる前から、街のあちことにこういう衣装の人がたくさん歩いてます。
行列の先頭の二人。注目浴びまくり。
先頭でなくても、美人は注目浴びまくり。
お、優雅な馬車がやってきた。
馬車の中には裕福な家族が。
その一方では、戦闘の跡も生々しい兵士の姿も。
兵士に捕まって引き回される村人や、
鎖で繋がれた囚人らしき姿も。この囚人?、突然奇声を上げて観光客を嚇かしたりしてました。
最後は動画で。
ちなみに、この動画にずっと映ってる観客の、頭の上にサングラスを載せた女性は、モニカ・ベルッチばりの美人で、行進する男性たちがチラ見しながら通り過ぎるなーと思ってみてたら、あちこちで観客にちょっかい出してた行進中の爺さんに抱きつかれてそのまま行進といっしょに拉致されていきました。