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ダークナイト・ライジング2012年07月29日

ロンドンのLeicester Squareの看板

「結局、女はキレイが勝ち」?


 The Dark Knight Rises (邦題:ダークナイト・ライジング)


3時間近い映画でしたが、見終わった後の気分は晴ればれとしてます。同じ監督の「ダークナイト」や「インセプション」が見た後、疲れきる(いや、とても面白かったのは間違いないのだけど)のに比べると、この映画は元気でます。お勧め


ある意味とても分かりやすい展開で、前半はずーっと下り坂、バットマンがベインに叩きのめされて、下がりきったところで、なんと10分休憩が入りました。ドイツの観客もちょっと驚いてた。で、後半は上り調子、というV字展開。後半はとても安心してみていられます。そのためサスペンスは見事にないですが、サプライズはあります。いくつも。


ただし、この映画とても続編なので、全部分かりたい人は前作も前々作も見ておく必要あり。前作は間違いなく傑作だと思うけど、前々作はどうかなー。もう一度見直すか。私も前2作はそんなに何度も見るほどじっくりは見てないので、それでもこの映画はとても楽しめた、と報告しときます。


キャット・ウーマン=アン・ハサウェイ。うん、白状する。アン・ハサウェイもいいね。今まで嫌いだ、ということにしてあってごめん。だってなんだかこっちが鼻の下を伸ばすのを見透かされるような気がしてたんだよ。どう見ても美人だし、もはやアニメのキャラクタ並みに目がデカイし、「アン・ハサウェイ」って名前もシェークスピアの奥さんと同じ名前ってなんだよ。狙いすぎだ。え、本名同じ?まぁ、ジョン・スミス並にイギリスあたりじゃありそうな名前かもしれない。で、「ラブ&ドラッグ」とかでは鼻の下が伸びっぱなしになるほどそういうシーン多かったし。この映画はお子様も安心して見られます、なので、そういうシーンはない。その分キレイさが際立った感じ。美しい、というよりキレイだと思う。目も口も大きいので、整った感じはしないんだよね。でもとてもキレイ。更に素晴らしかったのは、バットマンのバイク(バット・バイク?)をキャット・ウーマンが乗り回すシーン。ほぼ寝そべった姿勢で乗るようにできているので、ボディラインがこれでもかとばかりに際立つ。ふつくしい……


もう一人、マリオン・コティヤール。ブルース・ウェインの会社とは別の会社の経営者(たぶん。いまいち英語が聞き取れてない)で、ブルースの会社の取締役会にも参加している。ブルースの会社が危うくなるとき、ブルースとモーガン・フリーマンは彼女を招いて、人類にはまだ早過ぎる危険な発明の管理を彼女に託す……って、このいかにも私は優秀なビジネスパーソン、という役どころと言い、そして顔立ちといい、勝間和代氏に見えてしかたないんですけど。いや、他にもケイト・ウィンズレットかな、とか、ジリアン・アンダースン、じゃないよな、とか、後から思えばとんでもないことを考えていたので、私の目は相変わらずのふしあなっぷりだった。


ジョセフ・ゴードン・レビット君が出てるのも良かったなぁ。どうやら、ゴッサムシティーの刑事の訛りを真似しようとしているらしく、前半はとても聞き取りにくい英語でした。後半になってゴッサムシティーが大変なことになると、余裕がなくなったのか、いつの間にか訛りがどっか言ってしまったような。500日のサマーの坊ちゃん顔でもなく、インセプションのパタリロ顔でもなく、刑事らしく男くさい顔つきをしていました。こんな顔できるんだ。橋の上で上空を飛び去っていくバットヴィークルを見送るときは、あまりの驚いたか、ちょっと呆けたような顔してましたけどね。いや、よきかな。彼は子供の頃にバットマンと会っており、ブルースがバットマンであることも知っています。重傷を負って入院してしまったゲイリー・オールドマンに代わり、正義の警官として走りまわる、主役級の活躍です。


長い映画ですが、体調を整えて、ぜひどうぞ。ドイツでは、3部作一挙上映を何度もやってるなぁ。休憩はさんでくれてもさすがにそれは無理。


さて、ネタバレネタバレ。










だめ。この映画を見るつもりがあるなら引き返せ。絶対知らない方が楽しめる。








さて。


キャット・ウーマンがこの映画では、バットマンの味方につきます。これは予想してなかった。過去のバットマン映画で、ミシェル・ファイファーのキャット・ウーマンはしっかり悪党だったと思うし、そういえば、ハル・ベリーのキャットウーマンはみてないなぁ。アン・ハサウェイは、最初こそブルースの母の形見の真珠のネックレスを盗んだりしていて、盗みを稼業とする犯罪者なのだけど、完全に不二子ちゃんポジションに着きます。そうでなくっちゃ。


アルフレッドの引退後のビジョンは、フィレンツェのカフェでくつろぐこと。そして視線の先の少し離れたテーブルには、ブルースが恋人と語らっている、という……「坊ちゃま、いつまでも健やかにお過ごしください。うう、私はもうブルースぼっちゃまが肩の荷を降ろされた姿が見られてうれしゅうございます。」という勢い。実際にはそんなセリフはないけど。前半にアルフレッドの語りとして出てくるこのシーンが、最後に実現していて、しかもブルースと語らうのはしっかりアン・ハサウェイ!というシーンでは観客から歓声があがりました。


砂漠の竪穴牢獄に閉じ込められて、さらには腰かどこかを脱臼していて起きることすらできないブルース。仲間の囚人が荒療治を施してくれるのだけど、その痛みにのたうち、意識朦朧としているところに現れるのは、前々作で死んだはずのクワイ・ガン・ジン、じゃなくて、あれ、だれだっけ。キャラクターの名前が分からん。すみません、バットマン・ビギンズを真面目に見てません。とにかく、リーアム・ニーソンが出てきます。「お前は俺が殺したはずだ」とブルース。「死には色々な形がある。」とか言って煙にまくクワイ・ガン・ジン。やっぱりこいつジェダイだ。渡辺謙は出てきません。


この映画の最大のサプライズと最初見えたのは、マリオン・コティヤールがベインの黒幕であり、砂漠の竪穴牢獄からの脱出に成功した伝説の子供であり、つまりクワイ・ガン・ジンの娘であることでしょう。竪穴牢獄から脱出した伝説の子供の話は牢獄の仲間から繰り返し語られ、そのシーンではその子の顔も何度も映るのだけど、観客はその子がベインだと思い込むよう誘導されてるし、今のベインはフェイス・ハガーみたいなマスクをしているので、整った顔立ちのその子がベインだといわれても違和感もなく、まさか女の子だとは思いもしなかった。マリオン・コティヤールが正体を現してからは、よりはっきり女の子だと分かるように牢獄からの脱出シーンが繰り返されますけどね。


しかし。実は最大のサプライズ、そして観客への最大のご褒美は、バットマンが事件を解決してからの後日談にありました。事件中の警察の融通の効かない対応に愛想を尽かし、警察を辞めたジョセフ・ゴードン・レビット君は、どこかの役所に立ち寄って何か書類を受け取ります。そのとき、書類を渡した役所の女性が言います。


 「あなた、ファーストネームを使った方がいいわ。ロビン


そうだったのかぁああああああああ。そうと分かれば、あれも納得これも納得。いや、なんでレビット君のキャラクターが設定されているのか、ちょっと不思議だったのですよ。ゲイリー・オールドマンに活躍させとけばいいじゃん、でも、あれか、オールドマンだけに、年取りすぎてアクションシーンに無理があるのか、でも核爆弾を積んだトラックが橋桁から落ちても核爆弾と共に平気な顔でトラックから出てきてたし(ここも観客大笑い)。まぁインセプションで監督に気に入られたのかなぁ、とか色んなこと思ってたのだけど、すべて腑に落ちました。主役級も当然。


ロビンはそのまま、旧ブルース邸の裏にある、バットマンの秘密基地の入り口を隠す滝にたどり着き、滝を潜り抜けて中に入ります。彼が更に奥に向かって足を踏み出した時、洞窟の池の中からプラットフォームがせりあがり始め、


ここでエンドロール。この満足感は、バック・トゥ・ザ・フューチャー3のラストであれがあれするシーンや、クリス・パインのスター・トレックのラストで、いつものテーマ曲が流れた時のそれに通じるものがあるなぁ。


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