The Call2013年07月22日

いろんな映画を思い出させる。交渉人、スピード、フォーリング・ダウン、だったっけ、マイケル・ダグラスがキレる話、羊たちの沈黙、ラストはアレにも似てた。言ってしまうとネタバレになるので、それは最後に。

 The Call (邦題未定、ザ・コール、にはならないだろうな)

前半の緊張感とテンポの良さは素晴らしい。911、警察の緊急通報受付センターで、オペレーターを務めるハル・ベリー。ここにかかってくる電話の中には、今迫りつつある危険の真っ最中のものがあって、その場合、通報者の命がオペレーターとのやり取りにかかっている。会話だけで緊急事態に対処しなければならないあたりが、「交渉人」と似た雰囲気を出してる。

最初のエピソードの後、ハル・ベリーは、走っている車のトランクの中からかかって来た電話に対処する羽目になる。ティーンエイジャーの少女が誘拐されて、携帯電話で助けを求めている。ただし、その携帯は位置を特定できないタイプのもので、警察には車と少女の場所がすぐには分からない。犯人と人質、そしてそれと電話越しに伴走する警察、この辺が、「スピード」っぽい。

犯人は、30台の白人男性で、見た目は普通のおやじ。誘拐自体、まともじゃないのだけど、最初は発覚しないように注意深く振舞っていたのが、少女が脱出しようとしたり、警察が包囲を狭めてくるに連れて、どんどん追い詰められて、発作的に、衝動的に犯行をエスカレートさせていく。この辺が「フォーリング・ダウン」。オヤジの風貌も似てるし。

ここまで、緊迫感を途切れさせないまま、どんどん状況をエスカレートさせて、既に傑作の予感がしていた。ところが。

オペレーターの立場を離れて、一人で容疑者の別宅に出かけるハル・ベリー。一人で行っちゃいかんだろ。で、案の定、行った先は、携帯の電波が届かない所。この辺が、「羊たちの沈黙」。犯人の動機も、どうやら似ている。

このあたりから、テンポがスローダウンするし、展開が羊っぽくなるしで、先が読めた感があって、あーあ、と思い始めたのだけど。それで終わる映画ぢゃなかった。

ここからネタバレ。





見るつもりのひとは、ここで、さようなら。



「私たちは二人とも山羊座。ということは、二人とも戦士だということ。」

この、前半で、まだハル・ベリーがオペレーター席にいる間に、少女を励ますために言ったに過ぎない言葉が後で効いてくる。

犯人に反撃する、戦う二匹の山羊たち。

そうか、羊じゃなくて、山羊だったのか。邦題は、

  「山羊たちの沈黙」

でどうですか。だめですか。そうですか。

でも、それだけなら、まあそんなに驚かない。ハリウッド映画で、女性がおとなしく助けを待つのはもう何百万年も昔の話。

ラストシーンのあれは…

ソウ"SAW"の…

「ゲーム・オーバー」

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