コッツウォルズの宿 The Bell Inn ― 2012年08月19日
安い、広い、心地よい!
イギリスのコッツウォルズとロンドン観光に、家族と一緒に行ってきた。あちこち泊まってみて、どれもよい宿だったのだけど、このモートン・イン・マーシュの宿がちょっと特別な印象が残るくらい良かった。
宿の本体の隣に、Cottageと称する建物があって、これを丸ごと使わせてもらった。
一階がキッチンとバスルーム、
二階に寝室と居間があり、
更に三階(屋根裏)にももう一つ寝室がある。
この居間があるのがとてもくつろげる。旅行中の宿、という感じがしない。ソファーの座り心地がいいし、床の絨毯もキレイなので、直接座り込んだり寝転んでも平気。
窓の外は、表通り。といっても、幹線と側道が並んで走るようになっていて、その間にはたっぷりした駐車スペースがあり、宿が直接面してるのは側道の方。
で、この駐車スペースには毎週火曜日に市が立つ。色んな雑貨を売る屋台というかテントで一杯になる。僕は、火曜日がマーケットの日だ、ということを日本のガイドブックで読んでなんとなく知っていたのだけど、具体的にどこに市が立つのかは知らないでいた。で、火曜日の早朝五時頃、カンカン、カチャカチャいう音で目が覚めた。「あー、マーケットの日だなぁ。テント作ってるんだろうなぁ。」とうつらうつらと寝たまま考えているうちに気がついた。これは駐車スペースにテント建ててるに違いない。
「あーっ、車が出せなくなる!」
あわてて服を着て外に出てみると、既にいくつかテントが建ってるし、僕のレンタカーの隣にもテントが立ってる。
僕が車に近づくのと同じタイミングで、地元のおっちゃんが車の前にやってきて、車を見ながら険しい顔で「くそっ!」っと罵る。明らかにマーケットの出展者だ。
「これは僕の車なんだ。そこの宿に泊まってる。」 「宿から何も聞いてないのかい。」 「聞いてない。これ動かした方がいいよね。」 「そうだ。道路の反対側とか開いてるだろ。」 「分かった。」
ぐるっと車を回して、幹線道路の向こう側に車をとめて戻ってきたら、おっちゃんが組立て済みのテントをぐりぐり引っ張って、僕の車があった場所に動かしているところだった。
「悪かったね。知らなかったんだよ。」 「あー、いいっていいって」
ってことで、車が出せなくなる危機は回避され、おっちゃんも無事(たぶん)商売ができたのだった。
チェックインのとき、対応してくれたのが、なんだかノリの軽い兄ちゃんで、まぁ、それで言い忘れたんだろうなぁ。次の日の朝食のとき、宿のオーナーらしいおっちゃんが話しかけてきたので、宿の居心地は最高だけど、こんなことがあったんだよ、と説明すると、「あー、それは悪かった。Booking.comには説明を書いておいたんだけどね。」 Booking.com ってのは、宿の予約サイトで、うちもそこ経由で予約したのだけど、気がつかなかった。今そのサイトをもう一度見てみたら、 「毎週火曜日の6:00頃には、コテージの外で露天市が始まります。」って確かに書いてあるなぁ。
宿のおっちゃんしばらくしてから戻ってきて、「Booking.comに電話して、もっと大きく注意書きを書いてもらうことにしたよ。」「いや、結局何も困らなかったからいいんだけどね。旅の面白いエピソードが一つ増えたし。」「そう言ってくれるとありがたい。でも誰も六時前に起きて車を動かしたくはないよね。」ってな話をしました。
うちの奥さんはキッチンがあるので「晩御飯は自分で作る」と張り切って、宿の近くのスーパーで買い物。何でもそろうのだけど、肉だけやたら色が悪いので、やっぱり近くで見かけた肉屋に行くと、ちゃんと新鮮な肉が買えました。肉屋に近づいてまだ外から様子をうかがっていたら、なかからおっちゃんが「コニチハ、コニチハ!」と日本語で、かつお辞儀しつつ呼びかけてきた。日本人慣れしてるなぁ。ここに来る日本人客多いんだろうなぁ。肉買って、日本語で「アリガト!」って言いつつがっちり握手してきた。どの指も直径2cmぐらいありそうな、とてもごつい手だった。
そうそう、スーパーで買い物中、食器用洗剤を買おうとしたのだけど、どこにあるのか分からない。うちの奥さんが通りかかった女性に尋ねたら、「私はここの店員じゃないのよ。でも教えてあげる。」いや、なんかエプロンしてて、いかにも店の人に見えたんだけど、申し訳なかった。でも、親切に教えてくれました。ありがとうございます。
別の日には、僕が、少しいいレストランでも食べたい、と言い張って、White Hart Royal という、近くにある別の宿のレストランへ。五時半頃に行ってみたら、まだ準備中だったので六時半に予約。その時間に行ってみたら、いい席がもらえて、かつ七時ごろには一杯になってました。
で、ここの食事がおいしかった。うちの奥さんが、それまでの二、三日でイギリスの食事のいまいちさ加減にめげてきていて、だから自炊する、って話でもあったのだけど、ここの食事で一気に機嫌がよくなった。さらに、デザートを一人分だけ頼んだのだけど、このチョコレートケーキが生チョコっぽくてまたおいしくて、奥さんと娘二人が取り合いしながら食べてました。このレストランはワインの品揃えがいいみたいですが、うちはビールを頼みました。ラガーを頼むとよく冷えたのが出てきておいしいです。
なるべく色んなところに泊まってみたかったので、数泊しかしなかったのだけど、結果からいうと、The Bell Innには、もう何泊かしてもよかった。広いのに、とても安かったし。コッツウォルズに長めの滞在を予定するなら、お勧めです。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。