バトルシップ ― 2012年04月22日
「くそぅ、悪い宇宙人め、バリアでハワイをすっぽり覆いやがって。たまたまバリアの中にいた戦艦しか使える武器がないじゃないかー、うぉーやってやるぜー」
バトルシップ (原題: Battleship)
というわけで、何光年(何万光年?)も離れた星から、その星めがけて地球から電波が発信さ れてから数日以内に、ということは 電波が届きもしていないうちに 察知して、地球までやってく るテクノロジーを備えた、悪ぅーい宇宙人と、洋上で戦艦使って戦う映画です。
いやぁ、楽しい。満足しました。おすすめ。
なるべくでかいスクリーンで見るのがいいと思います。米海軍の現役の船の全体を捉えたシーンがたくさん出てきます。
浅野忠信が海上自衛隊の指揮官として出てます。登場シーンが多いだけでなく、セリフも多い。
日本が、かなり気を使われてるなぁ。浅野とか、海上自衛隊の登場シーン多いし、合同演習での親善サッカーでも日本が勝っちゃうし。これはストーリー上、日米の歴史上微妙なもの二つ(後で書きます)を舞台にしたので、バランスを取ろうとしたんだろうなと思う。
日本だけじゃなくて、色々とバランスを取ろうとした気配があります。海軍が活躍する映画で、基本的に若いマッチョな白人男性が主役で、海軍提督も白人男性のリーアム・ニーソンなわけですが、白人女性(サム)、黒人の女性海兵(レイクス)、海軍の退役軍人(じいさま方)、戦闘で両足を失った元陸軍兵(ミック)、オタクな科学者(名前分からん…)などがそれぞれ活躍します。あれ、ヨーロッパ、中東、アフリカのの存在感がないな。
レイクス役のリアーナがかわいい。サムはヒロイン(主人公の恋人)なので、そっちの方がゴージャスなのだけど、多分日本ではもう一つ受けないタイプ。
香港がハワイに次ぐ被害を受けるのだけど、その様子を報道するニュースのシーンでは日本語が流れて、そのニュースが映るスクリーンを眺める渋谷の交差点の人々が映ったりする。なんでや。
ネタバレ、いきます。
もう、いい、かい?
警告はしたよ。
元ネタの索敵ゲーム「レーダー作戦ゲーム」 (米国での元の商品名が Battleship) がちゃんとストーリーに取り入れられている。おもちゃが映画にでてくるわけぢゃなくて、おもちゃのゲームと同じルールで戦うシーンがある。これが楽しい。元ネタのゲームがやってみたくなった。むかーし幼稚園のころに近所の年上の子が持ってて、その子のうちで遊んだような…じゅんちゃんげんきですか。
敵の宇宙人の謎のテクノロジーにより、レーダーが使えなくなった、という設定で、浅野が、格子状に配置されたブイが浮き沈みする様子を観測すれば、敵が洋上どこを航行しているか 分かるぞ、と言い出して、索敵ゲームが始まる。この場面の指揮も浅野が取ってます。
日米の歴史上微妙なもの、というのは、
- 真珠湾のあるハワイで、
- 日本が降伏条約に調印した
戦艦ミズーリ
を主役にして活躍させていること。
でも、この映画の主な客層の10代は、そんなこと知らないか気にしない可能性の方が高そうだなぁ。
もいっこ楽しかったのは、戦艦ミズーリが再稼動するシーン。これわ溜まらん。どうしても、宇宙戦艦ヤマトが、赤くひび割れた大地から浮上するシーンを思い出してしまう。
戦艦ミズーリは、今は真珠湾で観光客向けに展示されているのですが、バリアの中にいた現役の海軍の船がすべて破壊されてしまったため、主人公が、「いや、まだ戦艦はあるっ」とか言いだします。これを聞いて仲間が 言ってた "That's a museum!" 「ありゃ博物館だぞ」というセリフが楽しい。
しかも、古い船なので、誰も現役の水兵は動かし方が分からないのだけど、そこに、どどーんと登場するのが退役軍人のじいさま方。泣けます。うそです。でも盛り上がります。
それから、驚いたのは、ハワイの島の上では、戦争で両足を失った元陸軍兵士が、リハビリを兼ねて義足で山の中をハイキングしていて、宇宙人との戦闘に巻き込まれたりするんですが、この役は、Gregory Gadsonという、 本当にイラク戦争で両足を失った元兵士が演じています。 役者の経験は全くない人だそうですが、完全に主役級の活躍をします。そうでなくても、あの義足でハワイの山中をハイキングしているだけでも驚き。
というわけで、「悪い宇宙人」の無理矢理な設定にはさっさと目をつぶり、楽しい部分に目をむければ、2時間たっぷり楽しめること間違いなし。
コメント
_ (未記入) ― 2012年05月02日 16時47分22秒
_ lackthereof ― 2012年05月02日 17時51分16秒
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