記事一覧: 映画 お出かけ チューダー朝

Heidelberg でのんびりジョギング2011年09月04日

哲学の道に続く坂道

やったー!去年ジョギングを初めて以来の目標だった、新市街一周を達成。先週のことだけど。


新市街一周

Neckar 川をはさんで、北に広がる Neuenheim と、南に広がる Bergheim から Römerstraße と Rohrbachstraße に挟まれたあたりをぐるっと走る。7Kmちょっとの距離。


ほんとに走りこんでる人には笑っちゃう程度の距離だと思うけど、ここに至るまで、長かった。達成感でいっぱい。


去年のうちに、北半分は回れるようになった。


新市街上半分


一周約 5km 。初めて走ったときは45分かかった。今は33分くらい。お、なんか昔のレコードの回転数のような数字。


今年は、だいたい毎週1,2回このコースを走ってた。5月くらいから。


このコースは Neckar 川沿いの走り始めが最高に爽快。河岸にはヨットクラブ、ボートハウスがあったり、緑地で鴨の親子がくつろいでいたりする。下流の橋から上流を見やると城が見える。


Neuenheim 西側に入ると町外れな感じが強くなる。一番へたっている頃なので景色どうでもいい。


一番上までいって東側に折り返すと、おだやかな住宅地。民家と商店がゆったり立ち並び、街路樹が走りやすい影を作ってくれている。


最後は Theodor-Heuss Brücke を渡ってゴール。


今年6月か7月初め頃に、初めて南半分を走ってみた。


新市街下半分


こっちはだいたいずっと町中を走る気分。小さい店が立ち並ぶ通りを抜けて、町と郊外の境目に至り、また駅前を抜けて Neckar 河畔に戻ってくる。ちょっと車が多いかな。北半分に比べるといまいち楽しみが少ない。


去年走り始めた頃は、ペースがつかめず、こんな無茶をやっていた。


哲学の道


距離は短いんだけど、川岸から哲学の道に上がる坂道がものすごくキツイ。歩いて登ってもへたりきる。その結果、途中で走り続けられなくなって、歩いて帰ってきてた。


今は、調子の悪いに日には、川岸一周で様子見してる。


ネッカー河岸の緑地


昨日も風邪引いてたので、古い橋まで往復のらくらくコース。


古橋まで往復


去年は6月に走り始めて、9月上旬で止めてしまった。寒くなって、天気が悪いと走る気があまり起きない。


今年は5月に再開して、まだ割合天気がいい。ウインドブレーカーを羽織ると、軽くて暖かいのも分かったし、10月いっぱいぐらいまで走れるといいな。

リミットレス2011年09月11日

意識が澄み渡る。髪はブロンドに目はブルーに。


   リミットレス Limitless


とてもお勧め。お手軽に全能感が味わえる願望映画。副作用への対処は自己責任で。


エディーは売れない物書き。本の契約を得たものの、1行も書けないまま時間が過ぎていく。恋人からも見捨てられて、もうダメだと思ったとき、とある薬を手に入れて、世界が変わる。


 意識が研ぎ澄まされる。周囲で起きていることが細かいことまで知覚できる。多数の情報を同時に吸収し、つき合わせ、あっと言うまに考えがまとまる。過去にちら見した情報さえ必要に応じて鮮明によみがえる。アイデアは湧き出し、説得力のある言葉となって口から流れ出る。


 「俺の人見知りと怯えはどこかへ行ってしまった。」


本は1日で書きあがり、パーティーでは皆の興味を独占し、金と力を持った人間が次々にコンタクトしてくる。もう本なんか書いてる場合じゃない。


もちろん、この薬には副作用と、裏がある。映画はエディーが高層マンションのベランダの縁に立って足を踏み出そうとするシーンから始まる。


原作を知っていても大丈夫。原作の味は生きているし、先が読めてもつまらなくならない。


ストーリーを楽しむ映画じゃないんだろうな。アクション映画がアクションシーンのハラハラドキドキを楽しむのと同じように、この映画は薬が効いているときの全能感を味わう映画で、プロットは全能感シーンを味わうための入れ物。


その構図は、スパイダーマンやアイアンマンなんかと変わらないのだけど、更に言えば、ハルクみたいに薬で超人になる話もあるのだけど、身体能力じゃなくて頭が良くなる、という話が意外と他にない。


頭の良さ、というのは多くの映画の中では、ドラえもんの道具みたいな超ツールが出てくることの言い訳でしかなくて、主人公ではなくて、サブキャラの役回りなことが多い。「こんなこともあろうかと」の真田さんが典型例。逆に頭のよさは、その発明品の効果でしか示されないことが多い。


この話はそうじゃないところがユニークで嬉しい。薬を飲んだ人々の頭が良くなる様子が、彼らの行動とライフスタイルの変化として描かれる。


うちの奥さんは、薬で頭がよくなる話だよ、といったら、「アルジャーノン?」と言ってた。たしかに。一脈通じるものがある。


原作はこれ。「ブレインドラッグ」。



何年前だろう、たぶん5年以上前に読んだ。そのときもとても気に入って、しばらく読み返したのを覚えてる。


今日ドイツ版iTunesのMovie新作をチェックしてたら、 Ohne Limit って映画のプロットを読んで驚いた。あれが映画になったのか、と。


以下、盛大にネタバレ。







もーいーかい?見てない人は我慢した方がいいよ。






冒頭で、副作用に注意、と書きましたが、実はこの映画は副作用ありません。原作は因果応報な結末なのですが、この映画はハッピーエンドです。私としてはこれは歓迎。エンジェル・ウォーズの結末が耐えられず、一度見て途中のシーンは大いに楽しんだのに、もう一度見る気にはなれないでいたりするので。


外国語がペラペラになる、ってのもグッとくる。たぶん僕にコンプレックスあるんだよな。原作でもイタリア語が急にペラペラになるシーンがあって、印象に残ってる。


映画でも、イタリアンレストランで店員とイタリア語でやり取りして、一緒にいる彼女が目を丸くするシーンがあるのだけど、ラストシーンでは、同じことを更に広東語でやってみせる。で、彼女に向かって


  「何?当然だよね」


まぁ、この時彼女は仕掛けを知ってるからね。驚くことじゃないはずなんだけど、それにしても、これをラストシーンにもって来るというのは、外国語喋る、というのが、アメリカ人にとっても憧れのスキルの一つなんだなぁと思う。 


英語で見たのだけど、最後のロバートデニーロとのやり取りがいまひとつ分からなかった。薬を供給するラボを閉鎖するぞってデニーロが言ったのかな?でエディーが別に困らないからいいもーんと応じたのかな。あのままエディーが大統領路線まっしぐらでは、ちょっと風呂敷広げっぱなしすぎる気がする。


アメリカ的感覚では、薬だろうと何だろうと本当に優秀な人間がトップに上り詰めることは手放しで歓迎ってことなんだろうか。日本だと「ずるい」が先に立つような。


でも、考えてみれば、本当に優秀で、かつ邪悪でない人間であるなら、その人をトップにつけることは重要だと思う。その人がフェアな競争をしたかどうかは僕としてはどうでもいい。


普通は、フェアな競争に勝った実績がなければ、その人が「邪悪でない」かどうか信じられないんだろうけどね。


映像的にはちょっとチープかな。金髪と青い目とか、わかりやすいけれども笑ってしまう。本が急に書けるようになるシーンでは、文字が雪のようにひらひらと舞い降りてくるとかね。


家を片付け始めるシーンは良かったな。薬が効いてくると、部屋を片付けておきたくなるらしく、初めて薬を飲んだとき、散らかり放題の安アパートの中で急に掃除を始めて、あっという間に部屋がきれいになるシーンがある。原作にもあったので、多分、エディーが掃除する様子を早送りで見せるんだろうなと思っていたら、違った。


皿洗いをするエディーの後ろにもう一人棚を片付けるエディーが現れ、また一人、更に一人と同時に6人ぐらいのエディーが部屋掃除してる、という表現になってた。(本当にエディーが増えてるわけじゃなくて、猛スピードで掃除している、という表現ね)。


かつて、バイオニックジェミーでは、ジェミーが床に散らばった書類を高速に拾って片付けるシーンがあって、小学生の僕ですら笑ったのだけど、それをやらなかったので1点差し上げます。


ドラえもん(今回ドラえもん多いな)で、宿題を片付けるために、未来の自分を、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後から同時に連れてくる、という話があった。あれを思い出す人、多いんじゃないかな。


そういう、小ネタの多い映像表現の中で、一番印象的なのは、ニューヨークの街中を視点が無限に進んでいくシーン。「リミットレス」の象徴。これは癖になる。インセプションの持ち上がるパリの街ほどのインパクトはないけれど、誰かこのシーンだけ抜き出してくれたらループ再生で付けっぱなしにしておきたい。


もう一つ楽しいのは、主人公以外にも薬のむ人がいっぱいいること。特にいいのは、闇金業者。原作にも出て来るのだけど、薬飲んでファッションも話し方も変わり、頭が良くなってどう感じたかを結構滔々と語ってくれます。逆にエディーの元妻の描写は気の毒だったなぁ…


エディーと薬、と言えば。


   「エディー、エディーだろ。」


うむ。今からもういっぺん見よっと。


青葉台の中華料理 堀内2011年09月20日

一時帰国したので、先日来、奥さんと娘たちが行っておいしかったと評判の店に、いそいそとランチに行ってみた。(うちの家族からの)前評判のポイントは二つ。

  • 前菜がいっぱい出てくる
  • 「中華パフェ」がおいしい

これに加えて、私が行ってみての感想は、

  • 野菜の食感がしっかり味わえる
  • コストパフォーマンス高い

でした。お勧めです。


大変繁盛していて、すぐ満席になっていました。うんと早くいくか、予約したほうがよさそう。


ランチは1000円、1500円、2000円の三種類で、昨日食べたのは1500円のもの。前菜6種が一つのトレーに乗って出てきます。えーと、いくつ思い出せるかな。

  • くらげの酢の物
  • 冬瓜の肉味噌
  • 湯葉とナントカ菜
  • 赤魚の煮物
  • 緑の唐辛子のしらす和え
  • オクラと豆腐

こういう、こちゃこちゃっとした料理が少量ずつ出てくるのは嬉しい。普段、外国で一品ごとの量の多い食事をしていると特に。


昨日は時差ぼけが抜けてなくて、体調が今ひとつだったのだけど、こういうメニューはおなかにも優しい。まずはくらげを味わう間もなく食べる。冬瓜最高。唐辛子に一つ当たりが入っていて、寝ぼけた目が覚めたところで、湯葉の歯ざわり舌触りを楽しむ。


あ、そうそう、食事の前に、陶器のポットに入った熱い中国茶が出てきたのだった。これも体に優しい感じ。


次は

  • コーンスープ

これにもしゃきしゃきした野菜が入っている。


次の二品がメインだけれど、先日うちの家族が来たばかりだったので、メニューにあるのとは違う料理にしてもらいました。

  • とろとろ玉子の、トマトも入った、海老玉
  • 豚肉の煮込み麺(しっとりした汁なし麺)

で、おなかいっぱいになったところで、いよいよ、

  • 中華パフェ

中華、というか、和風の甘味処にありそうな素材の率が高かった気がしますが、和洋中が組み合わさった、やや不思議な、でもしっかりデザート感のある食べ物でした。


中国料理 堀内 中華料理 / 青葉台駅
昼総合点★★★★ 4.0


ギザ2011年09月20日


Gizeh の箱

カールスルーエのボードゲーム屋で買ってきた、小さめの箱。

 ギザ Gizeh

一旦ルールを理解したら、ゲームを始めるまで箱開けて3秒。準備いらず。

うちの娘達は結構時間に追われる生活をしているので、隙間時間にさっと始められて、割合早く終わるゲームが嬉しい。ギザはそういうニーズにぴったり。

Gizeh 建設用地

ギザの三大ピラミッドとスフィンクスを作る、のだけど、建設予定地のボードを各自一枚持つほかは、全てのコマ(建築資材その他)を全部布袋に入れて、そこから一枚ずつ引いていく、という手順。

Gizeh 布袋

普通、片付けるときに全てのコマを布袋にしまうので、次にやるときには何もしなくても、すぐ始められるわけ。

ゲーム内容は、というと、ピラミッドを下から順に積んでいき、誰かが3個のピラミッドを頂点まで作ったら終わり。各段の点数を合計して最大の他人が勝ち。

各ピラミッドは最大5段あるのだけど、必ずしも一番下から積み始めなくてもいい。でも、点数は下の段の方が高く、また下の段を後から上に積むことはできないので、何段目から積むか考えることになる。またどの段にも、マイナス点の(角の赤い)カードがあり、上下の順序が許す限り、他人のピラミッドに積むことができる。

一旦積んでしまったカードを捨てる、サボタージュカードがあり、一番上のカードだけ捨てることができる。サボタージュというと、他人のピラミッドを壊すためにあるようだけど、自分のピラミッドを積みなおすのにも使える。

他にはピラミッドの決まった段に積める宝物とか、それ以上積めなくなり、どけようとすると一回休みを引き起こすスカラベとか、3段しかなくて極端に点数の高いスフィンクスとかがある。

降順にしか並べられない、というあたり、ケルトに似てる気もするけれど、あんなにアブストラクトではなく、ピラミッドの段や宝物の絵で結構雰囲気がでる。全てのコマが同じ大きさなので、積みあがったピラミッドがピラミッドに見えないのが玉にキズ。

ただ、運の影響が大きく、また一旦しくじると挽回が難しい気がする。始めやすいから、何度もやっちゃうんだけどね。