ドイツの鳩時計 ― 2013年06月23日
先日、知人からいただいたドイツの鳩時計、しばらく手がつけられなかったのだけど、昨日やっと組み立ててみた。
Kuckucksuhren Anton Schneider GmbH (カッコウ時計 アントン・シュナイダー社)
鳩時計なのかカッコウ時計なのか、ドイツ語の名称ははっきりカッコウなんだけど、日本では鳩時計で通ってるみたいだ。
いただいた時には気がついてなかったのだけど、これ、動力は電池ではない。二つの重りは飾りじゃなくて、この重りが鎖を下に引っ張る力で動く。重りが下がりきったら、鎖を逆に引っ張って重りの位置を元に戻す。
鎖は長い。1.5mぐらいのが2本あり、それぞれに重りをつける。どうやら、一週間に一度鎖を引けばいいタイプのようだ。
重りの後ろには振り子がある。振り子の中ほどについているノブの位置を上下に調節することで、時計の進みや遅れを調節する。
振り子がたてる、カッチコッチという音はそれほど大きくなく、心地よい。時計の水平が少しずれていると、カッチコッチの間隔が均等にならず、カコッ、カコッ、となるので調節せよ、とマニュアルにあった。結構丁寧に水平にしないと均等にならない。
毎正時と、30分に、文字盤の上のふたが開いて、カッコウが鳴く。この声も録音でも電子音でもなく、時計の中でふいごが笛を吹くことで出しているそうだ。
時計の背面には、蚊取り線香のようなばねがついている。このばねをハンマーが叩くと、ぼーんという柱時計っぽい音がする。カッコウが鳴くのにあわせて、このばねも鳴る。
カッコウの声と柱時計の音をビデオでどうぞ。
こっちは以前、家族がドイツに来たときにお土産にかった、小さい鳩時計。これは電池でうごく。
今時、電気仕掛けでない時計の方が珍しい。こういうのを作る職人さんも多くはなさそう。思いがけず、大変いいものをいただいたと感激して、改めてお礼のメールを書いた。
Neckar川再び氾濫 ― 2013年06月02日
先月、「夏が来たー、ずっといい天気が続くー」と騒いだあと、実はずっと雨続きだった。
毎日毎日雨。気温もあまりあがらない。観光客がっかり。あーあ。
と、思っていたら今日は久しぶりの晴れ。外へ出てみてビックリ。Neckar川がまた氾濫している。
古橋の上流にある大樹の回り (上が今日、下は2週間前)
新橋の対岸の山 (上が今日、下は2週間前)
古橋の下流 (上は今日、下は今年2月の浸水時)
浸水越しの向こうに城 (上は今日、下は今年2月の浸水時)
過去の浸水の記録
古橋の橋桁に、目盛りと過去の記録が刻んである。 今回は、13の目盛りの所まで水が来てる。割合最近(1993年)にも18の目盛りまで行ったらしいが、一番上の記録、1784年の31の目盛りには驚くしかない。
冠水した古橋下の道路
橋からこんなに遠いところまで、自動車道路が水に浸かっている。この手前に観光バスが一台、立ち往生していた。
河畔の緑地も水浸し
朝の光で輝く遊具
増水した川に浮かぶボート小屋
いつもなら、ボート小屋がある場所が川岸。今日はボート小屋自体が川に浮かぶボートに見える。
水浸しにも関わらず、久しぶりの好天に誘われて、緑地は子どもを遊ばせる家族連れで一杯。旧市街も、とくに古橋の近辺が、氾濫した川の風景に驚く各国の観光客で賑わっていた。
ローテンブルクの仮装行列 ― 2013年05月20日
今週、ローテンブルクではマイスタートルンクのお祭りが開催中。
市庁舎とマルクト広場。今日は大変な人出。
マイスタートルンクってのは、17世紀、30年戦争の頃、街がとある将軍の軍に襲われたとき、酒で気分が良くなった将軍が「この酒を飲み干せる奴がいたらこの街を見逃してやる」、とかなんとか口を滑らせたのを市長が受けて立ち、見事飲み干して、三日間の昏睡状態の後、生き延びたという、故事にちなんだお祭り。たぶん。
市庁舎の中では、この故事の再現劇もやってたらしいんですが、そっちは時間が合わず、見逃した。
でも、街中の仮装行列はばっちり見られた。最近行列づいてるな。
行列が始まる前から、街のあちことにこういう衣装の人がたくさん歩いてます。
行列の先頭の二人。注目浴びまくり。
先頭でなくても、美人は注目浴びまくり。
お、優雅な馬車がやってきた。
馬車の中には裕福な家族が。
その一方では、戦闘の跡も生々しい兵士の姿も。
兵士に捕まって引き回される村人や、
鎖で繋がれた囚人らしき姿も。この囚人?、突然奇声を上げて観光客を嚇かしたりしてました。
最後は動画で。
ちなみに、この動画にずっと映ってる観客の、頭の上にサングラスを載せた女性は、モニカ・ベルッチばりの美人で、行進する男性たちがチラ見しながら通り過ぎるなーと思ってみてたら、あちこちで観客にちょっかい出してた行進中の爺さんに抱きつかれてそのまま行進といっしょに拉致されていきました。
ハイデルベルク初夏2013 ― 2013年05月19日
空は快晴で濃い青。そして山の緑が鮮やか。この緑にハイデルベルクの城と橋の赤が映える。
川岸の緑地は日光浴する人で一杯。カップルも家族連れも、一人で座っている人もいる。色々。
川岸の豪邸を川面近くから見上げる。
古橋の上で、川風に吹かれながら日差しと緑と木陰を楽しむ。
聖霊教会そばのレストランの立て札。「新鮮なアスパラガスあり〼」
アイスも食べ時。珍しく日本語が頑張ってるな。
さっきとは別の店のアスパラガスの立て札。例年なら4月には大量に出回るアスパラガスも、今年は5月に入ってからやっと見かけるようになった。そのくらい、今年は春が来るのが遅かった。
これから数ヶ月、ドイツはすがすがしい季節が続く。梅雨もなければ、厳しい暑さもほとんどない。夜は9時過ぎまで明るい。いやっほぉぅぃ!
セマナ・サンタの宗教行列 ― 2013年04月03日
セマナ・サンタの週は、毎日、お祭りの行列が出る。宗教行列=プロセッションと言う。昔、人に教わってそういうものがある、ってことは知ってたんだけど、先週アンダルシアに行って、初めて見た。
山車、というか神輿というか、キリストやマリア様の像が載った台を大勢で担いで、街の中を、結構細い道を通ってゆっくり進んでいく。ずっと動きっぱなしではなくて、2分進んで5分止まるぐらいのペース。止まってる間は、山車は肩から下してある。山車に足がついてることもあるし、取り外しできる足を担いでる人たちが一本ずつ杖代わりに持って歩いていることもある。
山車は普段は当然大事に教会や専用倉庫にしまわれているのだろうけど、セマナ・サンタの週は倉庫のドアが開いていて、行列が始まる前から見えるようになってたりする。上の写真はマラガの、ローマ劇場跡の前あたりで見たもの。
こっちは行進中で、これもマラガなんだけど、キリスト像が違う。同じ市内にもいくつもキリストの山車があるようだ。
山車の前後には、香を焚く金属缶みたいなものを振り回す役の人や、十字架を掲げ持って歩く人、大音量で演奏する鼓笛隊などが連なって歩く。マラガでは、香を振り回してたのは美人の女の子達で、白い衣装とあいまって思わず見とれたのだけど、別の街では、同じ衣装を男性が着て香を振り回していてがっかりしたりする。当然そっちの写真は撮らない。
そうそう、忘れちゃいけないのが、とんがり帽子のマスクの人たち。たいてい巨大なろうそくを持って歩いている。
初日のマラガで、お土産屋さんを通りがかると、なんだかとんがり帽子の人形がたくさん置いてあるなぁと思ったのだけど、それがプロセッションの装束だとは知らなかったので、なんでこんなものがあるんだろうと不思議に思ってた。とんがり帽子といえば、クークラックスクランしか思いつかない人だったので。ルパンのカリオストロの城にも似た格好の悪役がいたかな。
悪役なんてトンでもない。セマナ・サンタの行列では、どうみても敬虔な信徒が大人も子供も男も女もとんがりマスクで行列に参加してる。結構子供が多い。 持ってるろうそくから結構ロウが垂れるんだけど、このロウが縁起物らしく、持ってるハンカチの上にわざわざロウをもらってる人もいた。
マリア様の山車は、こんな風にろうそくが何十本も立ってることが多い。
少し悲しげな表情のマリア様。
で、一緒にあるく鼓笛隊の人たちはなぜか詰襟の学生服みたいのを着てる。金管楽器で、チューバみたいのもあるし、太鼓はでかいのを持っている人もいて、すごい音量が出る。
グラナダの鼓笛隊は、もう少し軍服っぽいものを着てた。この真ん中の娘も美人。
出番前の楽屋いやいやいや教会で待機中のマリア様。これもグラナダ。
同じくキリストの山車。
アルコス・デ・ラ・フロンテラでは、緑のとんがりマスク。
加えて、なぞのフォーメーションを披露するローマ兵の皆さん。
アルコスのマリア像は女性だけで担ぎます。
こちらは夜も更けてからのキリスト像。
賑わう通り。アルコス・デ・ラ・フロンテラの祭りの夜はまだまだ続く。